疫病が蔓延しておりますので、たまの
観劇と月三回の長唄お稽古の他は
ほぼ引きこもっています。
お稽古はだいたい木綿の
カジュアル着物。
長唄というのは
不思議なもので三味線と唄が
完全分業なのに
「両方習得しないとダメ」なのです。
三味線方としてプロになった場合
人前で唄を披露する機会は皆無に近い。
なのに、
ばっちり唄えないとダメで
唄えなければ
曲の理解が出来ていないことに
なってしまう。
ちなみに囃子の演奏者も
三味線弾きながら1曲唄う、という
ことが藝大の卒業試験で求められるので
鼓を打つ人、笛を吹く人も
同様のようです。
それは
西洋音楽でよくある
「伴奏と歌」の関係でないからなのですが
唄が苦手な身としては
たいそう辛いことです。
また、譜面は
「便宜上現代になって作られた」
ものなので
流派によって解釈も異なるため
「譜面を読みとく」ことで
音楽に近づくことはできません。
師匠をひたすら真似るのです。
長唄は師匠と同時に演奏する訓練を
続けることで音楽の全体像に
近づけるといえるでしょう。
急に一拍増えたり減ったりして
あれれ、と思うことも多い音楽ですが
「間が悪い」と言われないように
頑張っています。
クラシック音楽のセオリーと
違うことばかりなのですが
馴れてくると楽しいものです。
なにより、自分の国の
音楽を深く知れた喜びなのです。
DJ KAZURU
Add A Comment