二月文楽第三部。
刺繍着物にアンティークの
復刻帯で。
「冥途の飛脚」拝見。
マスクしての観劇も
寄り道食事なしの慌ただしさも
だいぶ馴れました。
さて、「封印切り」ともいわれる
この浄瑠璃は
誰もが「クズ男だなー」と
思う主人公です。
店の金は使い込む
女郎に入れあげる
下女にもちょっかい出す
親は騙す
盗んだ金で女を身請け
その余りはチップでばらまく
死ぬしかないわー、と
言うものの死なずに逃げる。
そんな感じ。
三味線、清丈さんが最初
バチの調子が悪くて心配しましたが
象牙のバチって言うのは
なぜか突然キィって鳴ることあるんですよね。
どんなにメンテしていても
木と紙と絹糸と象牙、天然のもので
音を出す楽器は悩ましいものです。
今回人形にはあまりグッと来ませんでした。
織太夫の表現の豊かさが
とても好きなのでもっと
聴いていたかったです。
それにしても
ダメ男忠兵衛も下級遊女梅川も
そんなに魅力的ではないのですよね。
一世一代の恋、という
ものではなく
なんか適当に流されてたら
こんなんなっちゃった、という
どうしょうもなさが
感情移入できない要因の
気がします。
大阪新町から奈良まで逃げてきて
「死ぬ前に親に会いたいなー」
「俺も私が婿ですと、挨拶したいもんだ」
とか言いつつのラストですが
そんなこと言ってる場合じゃないだろう
っていうね···。
DJ KAZURU
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