
水道橋博士 著
「藝人春秋2」拝読。
まずびっくりしたのは
完璧な話芸のような文章の構成力。
名人の話を聞いているようです、が
喋っていることをそのまま
書き起こしてもこうはならないので
特殊な文章能力のある人なのでしょう。
ここに出てくる
「若山富三郎のロールスロイス」の
話は山城新吾の本に出てきた話なので
私も知ってた豪快エピソードですが
そのロールスロイスが
まわりまわって北野武のもとに
来たという話の持っていきかたが
北野武の赤いポルシェは
まわりまわって
ビル・ゲイツが乗っているという話と
松田美由紀の赤いボルボがリリー・フランキー
···という話と
何段構えにもなって
精度の高い、でも
面白おかしい落語のようになっている。
なんだろうなあ、この人。
これを文章でやっていることが
本当に驚愕でした。
また「三又又三」という芸人の
エピソードにいたっては、笑いがこらえきれず
自分で制御できないほどの
破壊力でした。
たぶん、出来事としてだけ耳にしたら
こんなに腹筋崩壊にならないはずなのです。
それどころか、下品だなあとか
バカな男だなあ、という感想で
終わったかもしれないのに
水道橋博士の文章力で
私はあんなにも笑ってしまったのです。
芸人、と言われる人のなかに
ここまで書ける人がいるなんて
すごいですね、私は芸人というものを
誤解していたようです。
DJ KAZURU
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