藝人春秋3、拝読。
水道橋博士のこのシリーズ
ここへ至って「記者の目」が
明らかに強くなっています。
各、芸能人についての
話が面白いことは間違いないのですが
今回はなんといっても
石原慎太郎氏と三浦雄一郎氏の
確執話ではないでしょうか。
政治の歴史としても
大事な「事実の検証」を
何故マスコミがやってこなかったのかが
不思議ですけど、田中角栄時代から
ねじ曲げられてしまい、現在も
微妙に変化していく虚言によって
曲げられてしまった三浦雄一郎氏の
名誉は確かい回復すべきものと思われます。
選挙にまつわるこのエピソード
ひとつとっても、水道橋博士の食いつきは
素晴らしいし、知ることができてよかった。
文庫解説を書いた
町山智浩氏も指摘していますが
都知事、出版社、タレント弁護士
テレビ局、人気作家・・・そういう
権力とされるものに向かって
「倫理を問う」ているのが
水道橋博士なのです。
さて、このように
行動と発言に疑問を持たざるを得ない
「大物」たちへの疑念を回収すべく
着地を決めた藝人春秋ですが、「3」で
心に刺さったエピソードは
立川談志が泰葉に残した
遺言のような話です。
落語が好きな人でもそうでなくても
「芝浜」くらいは知ってるでしょう
人生の終わりに、談志が敬愛する
落語家の愛娘を呼び出して、根津の
マンションの一室でそっと語られた
「神様の芝浜」。
芸人の最後って、こんなことが
起きるものなのだなあ、と
不思議な気持ちになりました。
ここで書かれる「根津のマンション」は
「八重垣せんべい」のマンションだと
思われます。
そこの主人は談志との思い出を
非常に大事にしている人で、私にも
話してくれたことがあります。
あの主人は自分のマンションで
こんな美しい語りが行われていたと
知っていたでしょうか。
DJ KAZURU
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