お稽古には木綿着物で
行くことが多いです。
派手だな~こういう人は
長唄には皆無なんだけど
着たいものを着てるとこうなります。
・・・
いまの師匠についてもう
5年近くが経ちますが
毎年3月は「藝大合格発表」の時期なので
師匠もソワソワ。
今年は長唄の三味線方と唄方
合わせて三名の高校生を指導していまして
全員合格でした。
実はこれまで師匠が受験指導した学生で
不合格だった子はいません。
それは見込みのない子は最初から
「受からないと思う」と明言して
去ってもらうからなのですが
それにしても凄い合格率です。
例えばある年の三味線方受験者は
6名だったそうですが
合格者は3名。
逆にうちの師匠の世話にならないと
受からないのでは?という率です。
今年は某有名長唄演奏家のご息女も
受験に向けて
入門してきました(そして受かった)。
正直、私の師匠より
ずっと高名な父親がいるのですが
「芸大マナーにのっとった演奏」を
身に付けるため入門したわけです。
芸大は国立大学だし誰でも
受験できますが、参考書も
模擬試験も存在しない邦楽科なんて
受験で何が行われているかなんて
殆ど謎。
口コミは、すぐに
誰が言ったか特定されてしまうほど
狭い業界なので、ネットの書き込みも
見当たらない。
しかし師匠は、自分も講師だったし
受験の伴奏もしてたので
ありがちな凡ミスや
押さえるべきポイントを
何もかも知っているのですよね。
おかげで私も受験で何が起こるか
どのような対策すれば有利か
詳しくなりました。
そして思うことは
「師匠のところにたどり着かなければ
一生知らなかったことばかりじゃん。
他の受験生かわいそうじゃん」
てことです。
毎年、受験を乗り越えた学生さんたちを
見ると涙が出るくらい
よかったね~、おめでとう
という気持ちになります。
けれど同時に
ここに来てテクニックを身につければ
受かったのに、涙をのんだ学生が
よそにいるのでは?と思うのです。
邦楽やってる人で
「受験対策万全」の看板掲げてる人いないので
紹介そのまた紹介でたどり着くしかない。
もし自分が若く
受験を望むくらいだったとして
うちの師匠に会えたのだろうか、と
想像すると、縁故もない身では
難しかったような気がします。
それで受験を乗り越えられなかったらと思うと
想像の中の自分が哀れなので
この時期は毎年
「受験てなんだろうか」と
思いを馳せるのです。
DJ KAZURU
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