
先日、都一廣こと
篠原治の見事な映像を見たので
著作にも触れたいと思いましたが
「菊がさね」はもう一般には
出回っていないのですね。

谷崎潤一郎の全集で
菊がさねに寄せた
「序に代へる言葉」を見つけたので
それだけは読めました。
77歳で書いた原稿は
谷崎からみても、殆ど直すところはなく
仮名遣いを統一したくらいだと
あります。
「矢張
一藝一能に達した人は
偉いものであると思った」
「真に江戸っ児にふさはしい
任侠と純情を以て生き抜き
藝一筋に身命を削って
江戸古曲の伝統を守り続けてきた」
「徹頭徹尾下町の花柳界の
人として終始しつつ
これだけの業績を挙げた人は
まことに少ない」
というように褒めています。
なにより
お座敷に出ていたときの人脈が
政界、財界、芸術家と
一流の人ばかりだったので、それが
彼女の後半生を豊かにしたようです。
今ではそんなお座敷も壊滅してるでしょうが
かつては、「日本にとって重要な話」
は、すべてお座敷で行われたものです。
そこに立ち会ってきたことで
並の女とは比べ物にならない
勉強をしてきたのでしょう。
DJ KAZURU
Add A Comment