いとうせいこう 著
「小説禁止令に賛同する」拝読。
近未来、日本が放射能汚染され
戦争がおき、日本が他国に占領され
もはや日本でなくなった
設定の話です。
ここでは検閲による
伏せ字が多用され、元小説家の
主人公が「小説禁止令に賛同する」と
いいながら小説の謎に迫っていくのです。
皮肉いっぱいの小説ですが
そもそも小説とは何を指すのか
随筆と何が違うのか、という部分を
徹底的につきつめており
この着眼点こそ、いとうせいこうの
本領。
なにげなく普段読んでいる
小説というものですが
改めて考えると、小説なるものは
不自然な構造をはらんでいるのです。
いとうせいこう氏は
日本語を、ラップ、小説、随筆
義太夫、謡、と多角的に学び
アウトプットしてきた人なので
こういう視点に至ったのでしょう。
こういうことは
現代の小説だけ読んで
現代流通しているスタイルの小説だけ
書いている人には
出てこない発想かと思われます。
DJ KAZURU
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