都築道夫 著
60年代のミステリー短編集
「妖精悪女解剖図 増補版」拝読。
初めて読んだ作家なのですが
ミステリーの顛末よりも
女性の心理描写におおっと
感じる点が多く、当時の
時代背景も新鮮で面白く読みました。
携帯電話もなければ
女の職業も少なく
猥雑とした風景がそこかしこに残る
今とは大分違う日本での
ミステリー。
この本も日下三蔵氏の
仕事なのだけれど
現在品切れ絶版になっている
良作を見事にまとめあげて
世に出してくれるので
ここ数年は日下氏の編集による
本をたくさん楽しませてもらっています。
そもそも皆川博子の
復刊や全集で知った名前ですが
彼のような人がいなければ
皆川博子を知らずに令和を生きている人も
多かったと思います。
作家にも感謝されていることでしょうが
大勢の読書経験を豊かにしてくれる
素晴らしい仕事です。
DJ KAZURU
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