「ちょこっと、つまみ」拝読。
河出書房新社が版権持ってる
作家のエッセイから、酒のつまみに
まつわるものを纏めたもの。
明治生まれの人も、現在活躍中の
作家も、お気に入りの肴で
一杯やる時間が恍惚だというのは
かわりなく、そのことを
したためた文章もやはり
悦びに満ちていて楽しいものです。
レアな料理の話より
シンプルで金のかからない「つまみ」の
話がやはり多く、このあたりに
理想の「つまみ」のヒントがありそうです。
この作家って気取ってそうだけど
庶民的な店の楽しみかたを心得てるなあ
そんな発見もあります。
つまみの話ではありませんが
池波正太郎が
「ふぐの店でビールを頼んだら
ビールとふぐは合わないから置いてない
と言われた。ふぐの味の良し悪しより
飲みたいものを飲ませない
店の態度に頭にきて
腹立たしさしか覚えてない」
というようなことを書いてました。
まったく同感で、店から
不条理なことをされた経験は
死ぬまで覚えていそうです。
わたくしは長年、好みのワインと
生ハム、少々の野菜でもあれば
楽しくなれる人なのですが、最近
外で飲むことが皆無。では家で、となると
一人でワインを一本消費するのは難しい。
というわけで眼中になかったビールを覚えました。
ビールを嗜む日が来るとはびっくりですが。
前日仕込んでおいた
「茄子とピーマンの南蛮漬け」
「蓮根、人参、油揚げ、こんにゃくの
炊き合わせ」
そんなものを冷蔵庫からさっと取り出し
お稽古から帰った途端ビールで流す。
家で飲むと沢山は飲めないので
つまみも少しでいいのです。
それこそ「ちょこっと、つまみ」です。
DJ KAZURU
Add A Comment