
「姫君を喰う話」
宇能鴻一郎 著、拝読。
お恥ずかしながら
官能小説の大家だとばかり
思っていた宇能鴻一郎氏は
芥川賞受賞者、むしろ
純文学に位置していた
人だったのですね。
いわゆる官能小説に
シフトするその狭間に
面白い小説を残しているとのことで
この文庫がちょっと話題です。
「姫君を~」は
モツを出す店で肉の味わいを
隣り合った男同士で語り合うことが
発端となり、では
女の体をどう味わうのか
真に惚れた女への愛情の発露として
いかに女の体に口をつけて行くのか、を
微に入り細にわたり・・・そして
凄まじい愛情の果てが見える
話に発展する短編です。
究極のグルメ話のような
究極の愛情の話のような
越えてはいけない線を越えた
男女の話のような。
これ自体は官能小説といえるような
性的に刺激される物語ではないのですが
やはり刺激的だし、ほかの作家では
書き得ない男女の交わりを
書いたものといえましょう。
埋もれ、半ば忘れ去られている
素晴らしい小説が今年もこうして
陽の目を見たことに感謝です。
世の中には(当たり前ながら)わたくしの
知らない、「読むべき小説」が
いっぱいあるのです。
DJ KAZURU
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