「獄中シェイクスピア劇団」
マーガレット・アトウッド著、拝読。
最近読んだ「侍女の物語」「誓願」などとは
まったく別の内容です。
劇団の政治に敗れ
失脚した演出家が、自分を陥れた奴等に
復讐する機会を狙う物語。
一般の劇場を離れ
刑務所の矯正プログラムとして
演劇の指導者となった演出家。
「テンペスト」を獄中でやるに当たって
受刑者たちに考えさせます。
芝居の登場人物が
如何なるキャラクターなのか
なんの目的でその行動に及んだのか、を
じっくり分析し
ついには「その後のテンペスト」まで
想像を膨らませ、彼らは芝居を通じて
物語を深く理解していく。
なるほど本来、芝居というものは
そのように丁寧に読み、考察しなくては
成立しないものなのでしょう。
それにしても日本の刑務所では
考えられませんが、カナダでは
こういうプログラムを行う刑務所が
実際にあるようです。
作中では違法な物の持ち込みが
平易に行われてますが、この辺りは
先日アメリカの刑務所事情について
読んだばかりでしたので
「まー、そんなもんだろうね」と
すんなり思えました。
日本の刑務所は本当に厳しいですね。
絶対に入りたくありません。
DJ KAZURU
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