
「三千円の使い方」
原田ひ香、著、拝読。
新聞書評で見かけたのと
「死ぬまで本棚の片隅に
置いておき、自分を見失うたび
再び手に取る価値のある本」
と、帯にあるので
そんなすごい本なの? と思って
買った本。
ある一家をめぐる
連作短編ですが、「祖母」は
亡き夫の退職金を少しでも増やすため
一千万円をリュックに詰め
三ヶ月ごとに金利の良い銀行を
ハシゴして、その金利でみごと
マッサージチェアを購入。
「孫娘(姉)」は消防士の夫の
年収が300万円なので、まめなポイ活で
自分の娯楽費を捻出。
なんともまあ、主婦雑誌の
お知恵拝借を小説にそのまましたような
しみったれた内容で途中で
ギブアップしそうでした。
が、話が進むうち「母」は
ガンを煩い、娘たちの進学費用や
結婚費用で乏しくなってしまった
貯金に不安を覚えます。
一番の不安は
家事が何一つできず、自分の
手術退院直後も
「飯を作らせて平然」としている
夫のことです。
お金の不安よりも大きいかも知れない
夫の存在って殆どホラー。
このあと、「孫娘(妹)」の
結婚相手が奨学金の550万円を
かかえてることがわかり、なかなか
感動的な解決に至るのですが
「病」と「老」が一気に迫ってきた
「母」の項がなんとも恐ろしかったです。
人生百年時代とか言っても
夫の世話する時間が長くなるだけなら
馬鹿馬鹿しいですね。
そして「夫」のような人種は
山のようにいるのだと私たちは
なぜか知っている。
妻の病後を気遣うこともできず
テレビ見ながら夕飯を
胃に流し込んでいくことができる
想像力のない男どもは、なぜ
放置されてきたのでしょう。
とんだ社会問題だ。
DJ KAZURU
Add A Comment