「美しいキモノ」連載中
「岩下尚史の東都風流」で
歌舞伎座の二階にかけてある
伊東深水の「春宵」について
深く知ることができました。
なんとも二階ロビーにぴったりな
華やかな画で私も大好きですが
若い方の女性は
西川流の西川千穂さんだということ。
白百合にかよう中学生の時
「祖母が、孫が歌舞伎座を飾る
絵になると言われて張り切って支度」
したお衣装だそうですが、その
祖母は伊藤博文に
退かされた芸者だそう。
花柳界と政治家が親密だった
時代の話ですね。
岩下氏の絵画一枚を当時の風俗
芸の流れと共に読みとくスタイルは
実に興味深く、次回歌舞伎座へいったら
別の目線でこの一枚を鑑賞できそうです。
わけても千穂女史から引き出した言葉
「あたくし、あの絵を
見たことがないのよ」
は秀逸でした。
何十年と歌舞伎座に通っているのに
「だって二階には上がらないもの」
とは畏れ入りました。
女史と同じように一等の切符を
買ってはいても、二階ロビーを
歩き回ったり、三階の売店で
鯛焼きを買ったりするのは貧乏性
と、言われているようで、ほんのり
はづかしくなった次第です。
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