鏑木清方展
別冊太陽で細かく研究してから行ったので
堪能できました。
特に四季折々の女性の装いを描いた
美人画を間近で見ると喜びがわいてきます。
近松の浄瑠璃を題材にした
「おさん」や「小春」も大好きです。
雑誌の表紙として描いたものなどは
庶民が日常的に美しい絵画を
楽しめるから、と清方も積極的だったようですが
生き生きとした美女たちの仕草を
写し取った雑誌の表紙を卓上で眺められるとは
なんて素敵なことでしょう。
ラジオ音源が流されているコーナーでは
「いくさは描かない。
美しいものを描きたい。
空襲警報が鳴ってたときなんか
意地になって美人画を描いていた」
という、御本人の言葉が聞けました。
今回の展示にはありませんでしたが
私が好きな作品に宮内庁所蔵の
「讃春」があります。
近代化した生活を謳歌する
女学生と、
船の生活をしつつも桜を愛でる
貧しい一家。
こんな「光と影」を六曲一双でみせる
清方に感服します。
また、清方はエッセイも大変上手で
この文庫には、今回の目玉
「築地明石町」と約30年ぶりに
対面したときの心情が書かれています。
「作者としては見てもらうことを望まぬわけはない。
ただ、画中の美女のまなざしに見て、しばらく
そっとしておいてやりたい」。
DJ KAZURU
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