鏑木清方 著
山田肇 選
「紫陽花舎随筆」拝読
日本人の話し言葉も書き言葉も
こうも変わったか、と思うことが
多々ありますが、画家、鏑木清方の随筆は
まっとうな日本語です。
美しいものだけに目を向け
世の中の美しさを絹に写し取った
清方。
一方美しいものの
影も敏感に感じ取った人ですから
文章もそれとわかるかわからぬか、の
絶妙な案配で皮肉を忍ばせたり、と
まあ素晴らしいですね。
ずっと読んでいたいと思える文章です。
こういった文章の継承者は、もはや
芸者文化の研究者
岩下尚史氏くらいかと思われます。
結局は日常の美を語れる人も
世の中心に背く発言を
さらりと、品よく
やれる人も少なくなったのです。
DJ KAZURU
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