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2/10 復活TIM★CUBA

17568 2/10 麻布トロピで久しぶりに ティンクーバやります。 DJ KAZURU が昔作った キレッキレのリミックス中心。 翌日が祝日なので ゆっくりお楽しみいただければ幸いです ************** La Tropi Azab..

2/1 イサックを語る

17586 下北沢ボデギータで 福田カズノブがイサックデルガードを語る マニア向けのイベントです キューバ料理もご注文いただけます ..

この国の正体

「ソ連兵へ差し出された娘たち」
平井美帆 著、拝読。

この本を見かけたとき、ある
ドキュメンタリー番組が思い出されました。

2017年のETV特集で放映された
黒川開拓団の黒い歴史を扱った
「満州開拓団の女たち」という番組。

満州で終戦を迎え、ソ連侵攻にあった
開拓団が、「接待係りの女性」を出すから
命を保証してくれと、ソ連と交渉した
経緯の内容でした。

開拓団皆の命や食べ物と引き換えに
肉体を差し出すことを強いられた
女性たちには、
拒否権など無かったと思われますが
ショッキングだったのは

「お国のために働いてる
兵隊さんの妻にソ連兵の相手を
させるわけにはいかない」

という理由で
17才から20才くらいまでの
まだ性交経験もないであろう
未婚女性が生け贄に選ばれたということ。

彼女たちの証言によると
部屋に横並びで寝かされ、恐怖に怯え
隣の女性と手を握りあって泣きながら
ソ連兵の蛮行に耐えたということでした。

ある女性は、妹を守るために
自分は倍の男を相手した、と。その妹は
肉体を蹂躙されることはなかったものの
性交後の洗浄係りを毎日したということでした。

この番組みたとき、よくぞ
語ってくださいましたと
被害者の女性たちに
手を合わせたい気持ちになったものです。

どこからどう見ても若き乙女たちの
おかげでこの開拓団は集団自決もせず
生きて日本に戻れたわけですが
そうなると
みんな彼女たちに冷たくなったというのが
本当に悔しくて悔しくて、彼女たちは
ソ連兵に犯され、日本人からは蔑まれた。

でもこれは
よくある話なのです、許せないけど
歴史的に女性は、
「みなさんのお世話をする性」
「犠牲になって当たり前の性」
であり続けたと言えましょう。

多くを守るために
個人が蹂躙されるほどの
犠牲を払わなければいけない社会とは
どういうことでしょう?

そもそも国策で満州に渡ったのに
国から彼女たちに補償などないですから。
すべての女性が怒るべきことです。

この本は私が見た
ドキュメンタリーとほぼ同じ人たちが登場し
やはり当時の出来事を詳細に語ってくれています。

違うのは、その後の彼女たちに
心ない言葉を浴びせた人たちにも
焦点を当てたこと。

彼女たちはソ連兵に提供されただけでなく
その後も日本に帰るまで困難があれば
交通、食べ物の代償として
肉体を差し出され続けました。

集団のため自分のすべてを
犠牲にしたのですから
普通に考えれば生き神様として
奉られてもいいように思うのですが
祖国に戻ってから、

「あの女はソ連兵が好きだから」

「嫁にはいけない」

「汚れている」

と、面と向かって言われたそうです。

自分のために犠牲になってくれた女性に
感謝する人たちもまったく
いなかったわけではないでしょうが
ひどいものです。

当時の辛さを訴えると

「自分も朝鮮の女をやった。朝鮮の女は
あんたより若かったが一日に
何十人も乗せてた」

と、平然と言ってのける男もいたとか。

驚いたのは

「惚れた女がソ連に提供された女と知ったとき
自分は激しく傷ついて急に嫌になった」

と、自分だけが可愛い気持ちを
隠さない男もいたということ。

その男の姉も「接待」にかり出され
そのおかげで日本に戻れたというのに!

また、男だけでなく
当時12才だったので「接待要因」を
免れた女性も
「身がきれいなのはじぶんだけ」
と、吹聴して憚らなかったというのは
人間のエゴ丸出しというか
涙が出ます。

著者は取材中なんども
自分勝手な発言をする開拓団関係者に
会っており、性的蹂躙よりも
こちらの方が根深いと感じました。

多くの命を救うため
身を挺した娘たちがいた。
そういう
美しい話だったらまだしも救いはありました。

実際は、彼女たちが身をもって
助ける価値のある人間ではなかった。
それが当時の軍国主義のありかただし
昨日まで「貞操は守れ」としつけていた
娘に今日は「肉体を差し出せ」と命令し
故郷に戻ったら「臭いものとして扱う」
これが日本の戦時下の教育が生んだ
精神なのです。

ちょっと前に「日本死ね」という言葉で
政府の愚策を揶揄する人たちがいましたが
この本を読んで、その言葉がよぎりました。

平時は偉そうに采配振るっている人間が
いざとなると一目散に逃げて
もっとも弱い存在に重荷を背負わせ感謝もない。

そんなみっともない国でいいの?

DJ KAZURU


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