「妻が口をきいてくれません」
野原広子 著 拝読。
夫は給料を入れ妻は家事子育てをし
生活はひとつ屋根の下でするが
妻が夫に対して口をきかなくなって
5年(!)が経過した夫婦のコミック。
手塚治虫賞で話題だったので
買ってみました。
口をきかないには
本当に涙の出るような理由があって
共感するところもあるのですが
奇妙。
口きかない生活一ヶ月目くらいで
双方離婚に舵を切れば、けして
たどり着くことのなかった問題の本質に
夫が気づいたので、5年頑張ったね~と
思いましたが、さっさと離婚できない背景に
「幼子を抱えたシングルマザーに冷たい」
日本の社会問題もあったと思います。
大抵の夫婦は絶望したらなんとなく
共同体を運営していくか
相手の無理解は無理解のまま
諦めて離婚するでしょう。
ところで「雌伏三十年」
雌伏三十年
の感想として千葉雅也氏が、
「マキタさんの小説、いろんな
ドタバタがあって夢中で読んだ
と同時に
けっこうエネルギーを消耗した感もあり、
とくに男女の話が大変な世界だなと思った。
大変な世界というのは奇妙な言い方だと思うが、
ともかく、男女の世界とは大変だと思った。
家族と子供が大きなテーマだが、それも男女の話なわけだし。」
と、述べていて
なるほど同性愛の人からは
そんな風に見えるのかと思ったわけですが
そういう視点なら「妻が~」にも
まったく同じことが言えるでしょう。
誰に強制されたわけでもなく
自分が好きで結婚した相手と
あっという間に上手くいかなくなる、が
生活と子育ては続いていく。
こういうコミュニケーションの
面倒くさい問題は、ノンケ世界だけの
ものなのか。
同性愛の側から見ると
うわー、我々にはこんな面倒くさいこと
ないから良かった~と
思われるのでしょうかね。
もちろん同性愛の人たちは
それはそれで別の面倒くさい
人生なのでしょうが、少なくとも
こんな奇妙な夫婦生活はないでしょう。
この漫画が大きな賞をとるほど
世の共感を得ているなら
世の中は奇妙な夫婦だらけかも
知れませんね、おおこわ。
DJ KAZURU
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