「結婚の奴」
能町みね子 著、拝読。
男性として生まれ、今は
女性となって活躍してる人ですけど
相撲に詳しいとか
ミルクセーキに特化した喫茶店本を
書いてるとかくらいしか知らない人でした。
こういうセクシャリティの人って
すごく恋愛過多のイメージがあったのですが
彼女は恋愛もセックスも
まったく渇望してない、でも
みんなが簡単にやってのけるそんなことが
できない自分を克服したくて
あがく物語でした。
実在人物の訃報が書かれていたので
ほぼ実話と思って読んでましたが
違うところもあるのかな?
ともかく、彼女は頑張って適当な相手を見つけ
付き合ってみて、セックスしてみて、を
試みます。
そしてたどり着いたのが
ゲイとの結婚(というか同居)。
誰かが家にいることで
「ただいま」
「おかえり」
のやり取りがあるだけで
健康的な生活が送れ、また
精神の安定を得られるようなのですが
そういうものだろうか?
というか、すべて
生活のことは人それぞれなのですよね。
恋愛するかどうかも含めて
人それぞれ。
自分の心地よい生活をするために
誰かが必要ならば、その誰かを
探さなくてはならない。
私は、一人で生活したほうが
この作者にはずっとさっぱりして
良いような気もしましたけど、彼女は
ぜひとも結婚のようなスタイルが欲しかったし
それが安定に繋がった。
これは
自分らしい着地点を
見つける旅の本だったのかもしれません。
・・・
恋愛は素晴らしいものだなんて
恋愛がうまくいった人による美化にすぎない。
この世の中、恋愛によって
どれだけの人が消えない傷を負い、
どれだけむごたらしい事件が
起きたと思っているのか。
あんなのは向いてる人だけが
楽しめばいいことである。
・・・
DJ KAZURU
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