長谷川春子 著
「踊る女と八重桃の花」拝読。
明治28年生まれの長谷川春子は
今で言えば
「画家でエッセイスト」でしょうか。
昭和のはじめに
パリ滞在記を書いて芸術雑誌に
発表したり、なかなか
進歩的な女性だったようですね。
著名な作家を毎回取り上げて
ちょっと辛辣なコメントを添える
遣り方は、ナンシー関に受け継がれた
手法かしら?
ところで10歳年上の谷崎をはじめ、
この時代を生きた
物の分かってるみなさまは
一様に六代目菊五郎を文章中で
絶賛していますよね。今回も
例外に漏れずパリの芸術に触れた
春子は菊五郎を大事にせよと
書いています。
六代目の時代に歌舞伎を見れなかった
自分が本当に可哀想に思います。
・・・
この十余日にオペラへ行った、
芝居へ行った、
シネマを見た、
美術館へ何度も通った。
森を何度も歩いた。
町は毎日歩く。
そしてまだ一度としてはっと
心がおどらない。
(中略)
日本よ、菊五郎を大事にせよ。
山田耕筰をもっといたはれ。
どこの国でもそうやすやすと
ああいふ人達はいつでもないものですよ。
・・・
DJ KAZURU
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