「エモい古語辞典」
堀越英美 著、拝読。
二次創作をする若い人たちの
語彙力向上を狙って作られた本のようですが
いや、オバハンも大変勉強になりました。
ここに収められている言葉は
語彙力を高めるだけでなく
ひとつ言うことでひとつではない
意味を持たせられるものも多くて
表現の海がどっと広がることでしょう。
黒色ひとつでも、その濃淡で
言葉を変える日本人の繊細さにときめきます。
まえがきによると
近年「エモい」は
「あはれ」と同義で流通している
表現らしいですが、納得ですね。
かわいい
愛しい
懐かしい
尊い
悲しい
さびしい
今ここではないどこかに
心が奪われている状態を
言い表す言葉はもはや
「エモい」でも「あはれ」でもいいとは
なるほどなるほど。
私が「あはれ」と「をかし」を
面白い言葉だと認識したのは
枕草子なのですが、「エモい」を獲得した
今の中学生あたりから
令和の清少納言でも出てきたら
頼もしいことです。
そういえば
ステイホーム云々の頃に
鉛筆でひたすら枕草子を
書き取りしました。
これだけの名著というか名エッセイは
書き写す行為にも馬鹿にならない
気づきがありました。
・・・
【瞑色】めい・しょく
闇のせまった夕暮れどきのほの暗い色。
【呂色】ろ・いろ
油を加えずに精製した黒漆のような深い黒色。
【涅色】くり・いろ
水底によどむ黒い土で染めた黒色。
【漆黒】しっ・こく
黒漆を塗ったような艶めいた黒。
・・・
DJ KAZURU
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