
以前もヨーコ・ロドリゲスの親友として紹介した
村井理子氏のエッセイ本。
「村井さんちの生活」拝読。
翻訳家として活躍されてますが
双子を産み育て、義父母の介護をし
実兄の孤独死の後始末をし
本人も心臓病の手術をして、と
それらすべての出来事を
書籍にして昇華させるという
タフな人ですね。
本書でもっとも感じ入ったのは
ルワンダの少年と文通を始め
それがとても彼女の心に
潤いと優しさを与えてるところでした。
少年からの便りは
少ない文字数にシンプルな
イラストが描いてあるものだけれども
村井理子氏が贈った音楽の鳴る
クリスマスカードへのお礼や
彼女への僅かな親しみが感じられ
いっぱいお返事を書きたくなってしまうのです。
もちろん彼女もルワンダの少年の
負担を考え、桜が咲く頃まで返事を出すのは
待とう、桜の写真を同封しよう、など
自制するのですが、こういう交流って
素晴らしいんじゃないかと思うわけです。
村井氏は少年との文通きっかけで
ルワンダの書籍を買い込み、深く
その国へ思いをはせているのです。
彼女は翻訳家としてすごく成功した
人だと思いますが、このような文通に
喜びを見出すその心こそが、なるほど
翻訳家の魂なのねと感じました。
DJ KAZURU
Add A Comment