岡村靖幸アパシーツアー
12/1中野サンプラザ。
16-9。
前回ツアーがゴリゴリの
クラブサウンドに寄せた
ファンクアレンジだったので
前回以上はないなという落ち着いた気持ちで
足を運びました。
今回の前半は、彼の持つ
「青春」サイドを打ち出した選曲で
「お母さん、見て!
僕ロックスターになったよ」
と、19歳の岡村靖幸がうったえているような
印象でした。
なんかこの人すぐに子供の声を
サンプリングするし、おじさんなんだけど
6歳くらいの無邪気な姿が
透けて見えるような時あります。
後半は前回のアレンジを踏襲した
流れでしたけど、一曲として
過去に聞いたアレンジはなく、よくもまあ
毎回毎回変化させられるものです。
アレンジはすればいいというものではなく
当然、ここに落ち着いたかなるほど!
と思えるものでなくてはなりません。
岡村靖幸は本当にわかってる。
疫病でコール・アンド・レスポンスが
出来なくなったので本人も
昨年はそこを悩んで、実際のライブでも
乗り切れない部分があったと思うのですが
今回は本人がすべて用意している
バックトラックでその問題を
解消してきたように聞こえました。
声は出せない客席の思いを
受け止めて、
レスポンスそのものではないんだけど
(そのものだったら野暮すぎ)
呼応するよう音を持ってきて
厚みを出してました。そんなときの
細やかないリズムの整え方に
驚きます。
ロバータ・フラックの
feel like makin love
と、ボズ・スキャッグスの
you can have me anytime
をカバーしましたが、特にfeel likeのほう
原曲と同じと思われる高いキーで
歌いだしてびっくりしました。
これらを聴いてから
オリジナル曲のライオンハートを聴くと
あ、ロバータ・フラックやボズ・スキャッグスの
曲の延長線上にある流れとして
この曲を作ったんだなとわかります。
アンコールの弾き語りでは
先日発売になったばかりの
椎名林檎リミックス集「百薬の長」
で岡村靖幸が手掛けた「長く短い祭」の
冒頭部分だけギターで歌ってくれました。
このリミックス集は
名だたる音楽家が椎名林檎の
曲を一曲づつリミックスする試みですが
皆さん椎名林檎というセールスが期待できる
人を前にして気合が入りすぎた様子。
原曲の良さを残すことを忘れ、ご自分の
爪痕を残す作業に必死になった人達の中で
岡村靖幸だけが、原曲をダンスリミックスに
仕上げることに成功したかと思われます。
あれだけ踊れる人いないですから
当然もっとも踊れる、というか
踊りだしてしまうリミックスです。
結局ダンスリミックスは
踊る心のある人にしかできないのかなと
思いました。
DJ KAZURU
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