田辺聖子全集、別巻1拝読。
これは田辺聖子と著名人の
対談や、田辺聖子論、評伝などが
収められています。
上野千鶴子などは明らかに
翔んでる女としての田辺聖子に
期待してるのが面白いですが
自然体の田辺聖子がその辺はうまく
かわしてる感じです。
世間的な男女の役割を
変えるのは難しそうだけど
自分のやりたいことはやるわ
というのが田辺聖子さんなんですよ。
実際は家の仕事に振り回されて
執筆はスキマ時間、でも
これだけ息の長い作家になったのは
家族の存在があったからでしょうね
ネタにもなってるし。
江國香織や山田詠美など若い作家に
非常に好意的なのもさすが。
まだ女流作家が
少なかった時代に円地文子を
頂点とする女流文壇に身をおいていた
田辺聖子なのに、後輩にすごく寛容。
先輩は尊敬し、後輩の芽は摘まない。
人間ができてますね。
田辺聖子は吉本ばななが出てきて
新しい才能だと騒がれたとき、あれ
こんなものを自分はずっと
書いてきたんだけどなーと
思ったそうですが、本当にね。
私も吉本ばななブームには
まったく心が揺れなかった記憶がありますが
あれはすでに田辺聖子を
知っていたからなの?
早すぎて世間の
田辺聖子を評価できなかった時代が
長過ぎる!
なんなら今こそブームが来てもいい作家です。
DJ KAZURU
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