仁左衛門様、一世一代
「霊験亀山鉾」を観に歌舞伎座へ。
さすが鶴屋南北っていうか
物語隅々まで楽しかった。
のっけから
水盃のときの不敵な笑みの水右衛門、こわ。
すでに
毒盛ってるから余裕なんだよね。
復讐したい人たちが
皆「せめて一刺し」って言うんだけど
次々水右衛門に殺られちゃう。
二役でやってる
隠坊のにざ様も
充分ワル格好いい。
衣装がくすみ系の色味で
帯もくすみ系赤の縞でなんかお洒落。
早変わり忙しくて
体力的にこれは大変だなあと思う。
70歳代後半でこれだけ魅せるって
信じられない。
すべてにおいて
肚で演じるとはこういうことか
という仁左衛門さまの芝居を味わえました。
孝太郎も好きな役者ですが
こういう役のときは安定感すごい
体不自由な子供がいる女房。
後半、姑から「祝言」て聞いたときの
喜びよう最高じゃない?
そして亭主は位牌になってると
知って転げ回って嘆くコントラストもいい。
と思ってたらこの部分を
劇評家の渡辺保氏が
「車輪すぎる」
と書いていて、これは
俳優が一所懸命になって演技すること、という
意味があるんですね。
そういや大車輪ていう言葉がありますが
車輪すぎる、とはなんと
ぴったりくる表現でしょうか。
歌昇の子供、種太郎が
立派にセリフ言っててびっくり。
他人の子ってあっという間成長する。
仁左衛門様の
「本日はこれぎり」
で、幕。
「霊験亀山鉾」は
2017年国立劇場でも仁左衛門さまで
観た演目だけど、歌舞伎座で観ると
雰囲気違うのなんでだろう。
それはともかく
焼場での本水は美しくて
陰惨な情景をよりいっそう
盛り上げるのに効果を出しました。
一世一代お疲れ様でした。
ありがとう!ありがとう!
いい芝居が観れると
力が湧きます。
ロビーの絵画
以前来たときと配置が変わってた。
小林古径の犬がかわいい。
名画を幕間に見れるのも
また歌舞伎座のよいところ。
堅山南風の「夕顔」。
奥村土牛の「鯉」。
観てないけど二部は富十郎さんの
追善船弁慶だったのです、めちゃくちゃ
いい写真が飾られてました。
DJ KAZURU
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