劇評家、渡辺保先生による
解説付き長唄演奏会
「河竹黙阿弥の世界
浮世絵で楽しむ邦楽大谷コレクション2」。
黙阿弥作品の
歌舞伎錦絵がスライドで紹介されました。
3代目田之助の三浦屋岩藤も。
田之助はいわくのある役者でしたが
写真が残っており、本当に
この絵と同じで美しい人、だと。
保先生は、自分が実際見た演目も
生まれる前の演目も研究し尽くしているので
しっかりと史実を学べます。
解説のあと
普段は下座で隠れて
演奏している黒御簾を
ステージの中央に出して演奏。
みなさん、通常通り
長着姿。
巳太郎さんはトークもお上手で
下座音楽を次々に演奏しつつ紹介。
保先生に
「舞台が目に浮かぶようですな」
となんども言わせ
弾き唄いまで披露。
保先生は
慶応元年、大正6年
2度しか上演されていない
白浪五人女を国立劇場の
一日限りの勉強会(平成3年これが3度目)で
観たそうで非常に面白いと
ストーリーを語ってくれたのですが
ほぼセックスと恐喝でした。
なんじゃそりゃ、のストーリーでしたが
私も観てみたい。
白浪五人女は、題名から
人気演目白浪五人男を女性に
置き換えたものかと思いがちですが
ストーリー的には
雲切五人男からきたものだそうです。
後半で演奏された
「茨木」は今回のために
巳太郎さんが再構成したという事。
渡辺の綱が鬼となったオバの
腕を切り落とす話です。
鳴り物は田中傳左衛門
三味線杵屋巳太郎
唄は勝四郎
トップの人の演奏です。
一日しかない歌舞伎座の休演日だから
集まれたメンバーですね
豪華。
長唄としても
40分超えは長い曲ですが
たった一曲を集中して
聴くのは悪くないです。
こういう機会がもっとあっても
いいように感じました。
巳太郎さんはじめ
ものすごい集中していたし
観客もしっかり聴こうという
空気になっていました。
自分は女流の師匠についているので
どうしても歌舞伎座で演奏してる
男性陣の、悪く言えば荒い演奏に
違和感があるのですが、今回は
派手で勢いがあっていいなあ、と
感じたのです。
というか、自分はそもそも
多少荒っぽくても華やかに
勢いよく演奏するタイプではなかったかしら。
そんなことも色々考えさせられました。
DJ KAZURU
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