「とらすの子」
芦花公園 著、拝読。
妙な筆名と思って調べたら
この方、ウエブ上で小説を発表していて
そこからデビューしたんですね。
この本でもそうした
ウエブサイトのことが出てくるのですが
私は、まったく知りませんでした。
小説を編集者のGOを貰わずに
書いたそばから発表できるのは
いいのかもしれませんが、校正を
経ていない小説が並んでるのは
なかなかキツそう
そんな印象。
実際【カクヨム】のトップページには
「異世界」「スチームパンク」
「もふもふ」「vtouber」と並んでいまして
クリックしたいものは見当たりませんでしたが
それは私が老境だからだろうな。
ここから書籍化に至ったものは
表紙を見る限りライトノベルが殆どです。
さて、
人間業とは思えない、残虐かつ
不思議な殺され方をする
連続殺人事件が発生。
その正体は
マレ様と名乗る人物に
気に食わない人間の名を告げれば
殺してもらえる、という仕組みだった。
という、ファンタジーぽい
ミステリーなのですが
漫画みたいにパーッと読めて
たまにはこういうのもいい感じ。
世の中で虐められてる学生とか
社会で馬鹿にされ続ける大人も、みんな
マレ様に縋りたくなるときあるよね。
人をいじめるやつは、たいがい
誰かに自分もいじめられている。
弱者にどんどん
被害は広がる。
救いようのない世の中ですから
こういう小説も登場するんだろうな。
面白いのは
本当に魔の力を持つ人間ではなく
ただ人より美しいだけ人の前でも
この人こそ力があるのですよ、と
言われると
己をすべてさらけ出し
自分を語り尽くしたくなる
登場人物が現れること。
ちょっと優れている部分を
強調されると、それを神のように崇めて
救いを求めてしまうという構図は
新興宗教なども同じかも。
DJ KAZURU
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