Event

2023イヴェント休業中、各コラム更新中《TIMCUBA動画有》

18644 2023年現在timcubaのイヴェント休業中です。 コラムは随時更新していますので 各メニューを選択してくださいませ。 https://youtu.be/BELIZJu0ruM 2014年の過去動画ですが 六本木で思いきりダンスと音楽を味..

2/10 復活TIM★CUBA

17568 2/10 麻布トロピで久しぶりに ティンクーバやります。 DJ KAZURU が昔作った キレッキレのリミックス中心。 翌日が祝日なので ゆっくりお楽しみいただければ幸いです ************** La Tropi Azab..

2/1 イサックを語る

17586 下北沢ボデギータで 福田カズノブがイサックデルガードを語る マニア向けのイベントです キューバ料理もご注文いただけます ..

岩下尚史氏が
平岩弓枝の「下町の女」と
ならぶ花柳小説として
挙げていた
有吉佐和子の
「げいしゃわるつ、いたりあーの」。

初出は昭和34年です
昭和56年に
図書館に所蔵されたものを
取り寄せましたが、笑っちゃうくらい
ボロッボロ。

もう文庫復刊も見込めないでしょうねえ。

新橋や赤坂にも引けを取らない
土地の芸者屋に
アメリカ公演の話が舞い込んできたのだけれど
仕切っているのは
GHQあがりの身元のはっきりしない
イタリア系を名乗る男。

胡散臭い話ではあるけれど
今と違って調べようもない時代です。

吾妻徳穂がアヅマカブキの名で
アメリカ興行をしたこともあり
自分たちも名を上げるチャンスではないかと
俄かに芸者たちはさざめき立つ。

吾妻徳穂のアヅマカブキは
先日国立劇場でその名を冠した
踊りの会を華々しくやったものですが
1955年に欧米ツアーをやったのは
本当です。

この小説では
そのツアーが大赤字だったと書いてありますが
本当かしら、本当だとしても
そんなこと言っていいの?と
心配になりました。

戦後どんどんしぼんでいく
芸者の世界で、プライドのあるものは
芸がすごいってとこを見せつけてやりたい
と、思うし
若い芸者は金で縛られる毎日に
うんざりし、一般の男と結婚してしまおうと
策略するし、こういうことって
現代に読んでも
しっくり感じられることなんですよ。

問題なのは
舞台に輝く功績を残して
名妓として名を轟かせる
スター芸者なんて
ひとにぎりしか
いないということ。

あとは客の男のおもちゃにされるか
おもちゃにされつつ借金地獄になるか
運良く一般人と結婚しても
芸者上がりと後ろ指さされるか。

だいたい日舞の家元なんて
この頃は芸者が稽古に来るから
お金が入ったようなものだと
思うのですが、お家元は尊敬されても
芸者は常に下に見られるのは
なんででしょうね。

この小説ではずばり、家元が
芸者を人としても女としても
下に見ている描写が
書かれています。

それは体を売っているのではないか
ということが絡んでくるのですが
ここにいる芸者たちは、表向きの
「売ってはいない」を押し出したいがために
アメリカ公演にこだわるのです。

いじましい。

結局この話は流れてしまって
そのために作った衣装は
土地の踊りの会で披露できただけ。

然し芸というのは
なかなか説明しにくいものですね。

この小説を知るきっかけになった
岩下尚史氏は

一流は
畏れを持つ人なり

二流は畏れず

三流は藝の何たるかも解さず

四流は恐れすぎて退き

我は五流にて無邪気に親しむ。

と、仰っしゃっていますが
これほど知識もあり舞台も見続けた
氏が無邪気に楽しむ人であるというのは
一流の観客の証でしょうか。

DJ KAZURU


Add A Comment