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2023イヴェント休業中、各コラム更新中《TIMCUBA動画有》

18644 2023年現在timcubaのイヴェント休業中です。 コラムは随時更新していますので 各メニューを選択してくださいませ。 https://youtu.be/BELIZJu0ruM 2014年の過去動画ですが 六本木で思いきりダンスと音楽を味..

2/10 復活TIM★CUBA

17568 2/10 麻布トロピで久しぶりに ティンクーバやります。 DJ KAZURU が昔作った キレッキレのリミックス中心。 翌日が祝日なので ゆっくりお楽しみいただければ幸いです ************** La Tropi Azab..

2/1 イサックを語る

17586 下北沢ボデギータで 福田カズノブがイサックデルガードを語る マニア向けのイベントです キューバ料理もご注文いただけます ..

浮世の画家

「浮世の画家」
カズオ・イシグロ著、拝読。

戦中に国策にのっとった
作品で画家として地位を得ていた
小野。

戦後、様変りした日本では
彼の評価の逆転、娘の縁談にも
差つかえるような有り様。

自分としては
画家としての道のりに誇りも
持っているのだが、弟子や仲間の
一部からは
彼の一言で拘束されたものもいて
激しい憎悪が向けられる。

過去を振り返れば
世間に影響力のあった画家として
酒場で弁舌を奮えば、そうだそうだと
彼を称える声も多かったのに
今は画家であった自分を
過去のもとして絵も封印している。

面白いのは、確定的に
小野の罪が語られるわけでは
ないということです。

小野自身は過去を思い返そうと
あれこれ試みるものの
真実は浮かび上がらないのです。

善悪を白黒つけることは
できないのだよ、と
カズオ・イシグロにいわれているようでした。

冒頭、小野がまだ権勢を誇っている
時期に、家を買おうとして
逆に住むに相応しい人間であるか
値踏みされるエピソードがいいのです。

まるで見合い相手の経歴
審査するようなやりかたなのですが
こういう話を最初に持ってくるところで
惹きつけられてしまいました。

その豪奢な日本家屋の描写も
陰影が感じられて
戦後なくなってしまった
日本のなにかを象徴しているようです。

カズオ・イシグロは
ほぼ英国でしか暮らしていませんから
ここで描かれる日本は実在の
土地を想像できるものではなく
いわばパラレルワールドの日本。

だからといって
外国人が描いた典型的な
日本でもなくて
酒場での風景など、私の脳内には
墨で書いたように浮かび上がりました。

「日の名残り」同様に
大人の小説です。

渡辺謙でドラマ化されたという
情報を得ていたので
小野=渡辺謙で読んでしまったのは
良いのか悪いのか…

DJ KAZURU


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