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2023イヴェント休業中、各コラム更新中《TIMCUBA動画有》

18644 2023年現在timcubaのイヴェント休業中です。 コラムは随時更新していますので 各メニューを選択してくださいませ。 https://youtu.be/BELIZJu0ruM 2014年の過去動画ですが 六本木で思いきりダンスと音楽を味..

2/10 復活TIM★CUBA

17568 2/10 麻布トロピで久しぶりに ティンクーバやります。 DJ KAZURU が昔作った キレッキレのリミックス中心。 翌日が祝日なので ゆっくりお楽しみいただければ幸いです ************** La Tropi Azab..

2/1 イサックを語る

17586 下北沢ボデギータで 福田カズノブがイサックデルガードを語る マニア向けのイベントです キューバ料理もご注文いただけます ..

桜庭一樹

「彼女が言わなかったすべてのこと」拝読。

この数年で我々は
深く考えざるを得ない出来事に
いっぱい直面してきた。

幸せそうな若い女を
殺してやりたかったという通り魔。

SNSでチャラチャラした日常を
投稿しているなんて
酷い目に遭って当然だ、と
被害者に追い打ちをかける世間。

感染症が広まったことで
人気の芸能人がコロッと死んでしまう。

小さな半径の中で
マスクの有無を監視する社会。

感染症にかかるのは男性が多くても
実際死ぬのは「お世話をする性」の
女性が多い。

自分のことで精一杯で
救急車に道を譲る余裕もない人々。

イケメンで何でもうまくやれる
学生時代の友人が憎いという理由で
襲撃された被害者は、仕事でへとへとになって
遅い時間に帰宅したところだった。

国の要人が撃たれたときと
同じような手当を無名の人も
受けられるか。

こうした現実を
考察し、小説に落とし込み
言葉にするのが
桜庭一樹だけれど、この小説では
パラレルワールドのふたつの
世界線で語られていて、それが
素晴らしい(浅草の講談協会の
隣に住む主人公が
歩く浅草近辺の風景描写も良い。
清澄白河や
錦糸町ニットも登場)。

一方の主人公は
感染症の蔓延していない世界で
若年乳がんの治療を続けている。

とても普通には
動けない肉体的にも精神的にも
負荷の多い毎日。

そこで直面する違和感にも
彼女は丁寧に言葉を与えていく。

弱そうな対象を見つけては
アタックを繰り返す人がいる。

有名人がガンを公表すると
何処かでその死を願う人々がいる。

がん患者のブログが
面白くなるのは、当人が死んでから、という
世間の恐ろしい期待を知る。

病の自分が憐れまれる
その正体はどんな感情か。

これまでの小説で
最も社会に物申した小説ではないかな。

そして、彼女の小説にもれなく
入ってくる

「女の子なのに頭が良くても
仕方ない」

と言って憚らない親の存在も
でてきます。

これは彼女の両親がそうだったと言うより
ムラ社会全体がそうだったようなのですが
いつかこれを主軸にした
小説も書きそうですね、もう
あるのかしら。

・・・

ねえ、病人のこと語るのに
大きなドラマ、なんで必要なの?
それは病気じゃない人のためなの?

・・・

DJ KAZURU


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