「ヒロインはいつも泣いている」
関亜弓 著、拝読。
【女だから】悩む歌舞伎の女性たち
というサブタイトルがついてます。
表紙は壱太郎だけど
特に内容に関係なし。
著者自身は学生時代
歌舞伎の研究会に属し
のめり込み、周囲の男性が
歌舞伎の道へ進むこともあったのに
女性の自分は研修生にもなれないことに
気づき、不公平感を持ったというほどの
歌舞伎好き。
歌舞伎における女性というのも
そもそも脇役が多いのだけど
その女性キャラクターの心情を
じっくり読み取って行こうじゃないかという
本です。
有名登場人物を
次から次へと、これは
現代で言うとキャリアウーマンの
悩みなのだ、とか
これってルッキズムだ、とか
ある視点を持って検証していくのだけど
考えてみれば、芝居を見るときって
もうそういうキャラクターだと思って
疑問なく観ているので、あー実は
こういう立場からの行動だったのか、と
ハッとする部分が多く
面白く読みました。
なんか歌舞伎の登場人物って
今の感覚からだと思いもよらないことを
する人も多いんだけど、しっかり
細かいところまで汲み取ってるので
次に芝居を見るのが楽しみです。
まあ、結局今も上演されている
歌舞伎の話って、基本的に
残ってるだけあって面白いんですよ。
それだけに、「そういうもの」と
思って話が進んじゃうけど、いちいち
疑問を持って人物像に迫ることも
大事ですね、自分は音楽とかに
気を取られて、雰囲気だけで
芝居に浸ることが多いので、反省。
DJ KAZURU
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