邦楽鑑賞会＠国立劇場小劇場へ。

東音会中心編成の
舌出三番叟から
スタートした長唄の会。

お囃子や唄には私が発表会などで
並んで演奏していただいた
先生方もいます。

国立劇場最後の邦楽の会なので
満席。

ロビーにはこれまで活躍された
演奏者たちの色紙も展示されて
フィナーレ感ありました。

琴のはいる白露だけは
聴いたことない曲だったんですけど
美しかった。

吉原雀は今藤中心。

タテが緊張ぎみに見えて
ヒヤヒヤしましたが、今藤の華麗なタマが
繰り広げられましたね。

前半で二枚目の糸切れ
完全に別の糸に変える選択を
なさったのですがスムーズに変えられず。

タテがタテ用の替え三味線を
使えと言うも拒否、そうこうするうちに
糸巻きが落下、
三枚目が交換を申し出るもなぜか拒否。
糸替えに気を取られて
なんかこっちも集中できなかった。

結果トメを弾いていた
今藤美佐緒の安定感だけが
心に残ったんですが、こうなると
今藤美佐緒のタテで聴きたかった、と
思ってしまいますね。

この二人椀久でタテを弾いてるのが
今藤美佐緒ですが、すごいです。
後半に繰り広げられるテクニック、これが
芸大卒業生ではなく
宮川町の芸者とはびっくりです。

我々は演奏時に体を動かすな
目を泳がせるな、と言われるのですが
今藤美佐緒の場合、しきたりを守って
微動だにしないのではなくて
真に集中してるがゆえに
体感が揺れないように見えます。

唄は杵屋六がなんか
格好よかった。

続いての
石橋は、とにかくお囃子が
完璧な布陣。

こんなに揃うものかと思うほど
イキが合ってました。

お囃子ソロがある曲ですが
聞かせどころ
傳左衛門さんの小鼓の紐を
引き絞る音が聞こえるほど
渾身のポンポンを咳が遮ったの悔やまれる。

なんであそこで咳したかな
観客の誰か知らんけど。

今回のハイライト
立別れ娘道成寺。

まず山台左右に分かれて
ずらーっとならんでる姿が壮観。

終始
緊張感あるやり取りで、交互に演奏
または、笛だけが別のチームに入ったり
太鼓だけが別のチームに合わせたりして
進んでいきます。

舞踊の伴奏と違って
三味線も唄も主張していきます。

巳太郎さんのパワー凄かったですね
今藤のタマに負けないタマの応酬。

これくらい面白がれる
演奏聴きたいね、なんか
アタリマエニ上手なだけの人の
長唄って、つまんなくなるの簡単なので
スリリングな演奏を求む!

DJ KAZURU