「ミルク・ブラッド・ヒート」
ダンティールWモニーズ 著、拝読。
女に生まれると
経験しなくても良いことに
直面して苛つくことが
多いな、ということは
ずっと感じていたのです。
道を歩いてるだけで
ぶつかってこられたり、
電車で座れば隣の男が
足を広げて座るから自分の居場所が
狭くなったり。
隣の席の男がどっかり
足を組んで靴裏を私の目の前に
見せて、涼しい顔をしているとき
思うことは
「此奴
私が身長2メートルで
100キロの男だったとしたら
こんなデカい態度取らねーよな」
ってことです。
女は自分より腕力が劣るから
反撃してこない。
それが前提にあるから、したい放題。
無自覚に
デカい態度の男はそこら中にいます。
女は「想像力のないバカ」と
争っても意味ない、時間の無駄
と、悟っているから
騒ぎ立てないけど、いろんなことを
思っているわけです。
そういう抑圧される性としての
女性の心情を短編で畳み掛けるように
書いたのがこの本。
女ということだけでなく
黒人、という存在もそこには
入っているけれど、ああ
国は違えどおんなじ様に女は
耐えてるんだな、と
大変興味深く読みました。
フロリダも日本も
根底は同じ。
設定は様々ですが
子供を生む性
男性の世話をする性
男性に消費される性、であり続けた
女性というものを
鋭く書いてます。
若いも老いも無く、本当に
女性であるというだけで
面倒くさい世の中です。
男性は反論するだろうけど
現実ですよ。
女房の老いに耐えられなくなって
行きつけのバーの女の若さに
ほっと一息ついて。
その若い女もあっと言う間に
老いることなど想像もできない。
自分を可哀想がることで精一杯。
そんな男いっぱい
いるよね。
自分が女というものを
踏みつけてきたことに
気づきもしないでさ。
DJ KAZURU
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