
吉村昭と
津村節子の夫婦については
妻のほうは芥川賞作家なのに
家事一切は妻がやってて
大変そうだなあ、と思ってました。
谷口桂子 著
「波瀾万丈おしどり夫婦」拝読。
私は吉村昭って大評価してる。
でもねー。
なんもしないで書いてるだけでいいなら
いくらでも集中できるじゃないですか。
この時代の家事は
洗濯にしても、買い物にしても
料理も大変なわけですよ。
津村節子は家事から開放されてたら
もっと大作家になったかも、なんて
思っちゃいますね。
そんな作家夫婦の日常を
振り返る本で面白かったです。
息子の司氏の証言で
今まで知られなかった夫婦の
ありようが見えてきました。
まあ、吉村昭については
破船を書いた人だし、もう
何も言うまい(笑)
あれっと思ったのは
息子の司氏が小学二年のとき
吉村昭からみて、これは
素晴らしい、と思ったのに
先生がそこを理解しない評価をしたことで
その学校に見切りをつけて
明星学園に転校させたというのです。
いやー、私も明星学園にいたので
よく分かるのですが、明星学園の
先生は作家くずれやしっかりした
研究者が多いので、優れた作文は
正当に評価してもらえるはずなので
ストレス無くなったでしょうね。
一方、芸術方面に進むなら良いけど
大学進学に不安を持った吉村昭は
司を6年生が終わったところで辞めさせ
他の学校に入れたそうです。
そこも正解(笑)
いい学校なんだけど
受験には向かない。
それはともかく
吉村昭は意外や子どもの教育や
生活に親身に寄り添っていたと
言えるエピソードではないかしら。
まあ、金銭的に自分の死後も
妻が楽に生きていけるようにと
お金のことはしっかり考えてたようだし
立派な昭和の男といえましょう。
ここにも書いてありますが
自分の書いた
既刊の印税だけでは、妻の老後の生活は
成り立たないと計算してたのは
嬉しい番狂わせ。
令和の世でも吉村昭は
文庫復刊もしてるし
ばっちり売れてます。
DJ KAZURU
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