
山田詠美 著
「肌馬の系譜」拝読。
今の世の中を
上手く掬いだしてる短編集。
何を書いても差別だ!
と、なりかねない時代の
作家による
「息苦しさの根本を探る試み」
なんですが、
男は女は、はもちろん
なにか語るたびに
ゲイ・レズビアン
バイセクシャルその他諸々を
念頭に入れて発言しなくては
いけない世の中というのは
正しい方向に向かっているようで
なにか大事なものを
見落としてるような感じ。
あるよね、確かに。
色々挙げたあとに
四文字言葉を羅列する人物の
侵入により
「ファックは
愛と凌辱のための四文字言葉
LOVEと同じ」
に帰結するのがさすが。
今や権威にもなったノーベル賞のボブ・ディランも似たようなこと言ってるんですって!
これじゃあ偉い人たちも
認めざるを得ないな。
あとがきに
「差別を書くことと
差別主義者であることは
ぜんぜん違う」
と、ありました。
そーだそーだ。
蹴散らせ、ポリティカルコレクト!

他に、沼正三への
熱烈なラブレターのような
家畜人ヤプーオマージュ
「家畜人ヤプ子」は
世間がある種の流れに
従い出したところですけど、私は
皆様のように
骨抜きにはならなくってよ、オホホ
とでも言うような
小気味いい作品でした。
他に
作家の過去の体験をそのまま小説に仕立てような掌編も。
私、この作家35年くらい
読み続けてる気がするけど
いっこうに衰えない。
尖り具合がすごいわね。
DJ KAZURU
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