
「おせん」同様
邦枝完二と小村雪岱のコンビで
東京日日新聞夕刊で昭和7年に
連載されていた
「江戸役者」拝読。

挿絵が見事ですねえ
こんな素敵なものがそのまま
復刻されてありがたい
幻戯書房もいい仕事するなあ。

話は八代目團十郎の
色恋の話が主で
特に芸談めいたことは出てきません。
八代目といえばのちに大阪へ行き
30代の若さで自殺するのですが
その部分は書かれておらず
江戸での恋人である芸者とのこと
ご贔屓をいかにあしらうか、など
楽屋周りの描写が楽しめ
当時の芝居小屋の空気濃厚。
昭和も7年なら
新聞を読んでた人たちには
こうした江戸期の歌舞伎のことは
遠くなかったのではないかしら。
だって江戸末期を経験してる
老人が70歳くらいで存命中だからね。
今は歌舞伎といったって
ずいぶん違うものになってますから
別世界のこととして、我々は
読むわけです。
それだって
面白いには違いないけどね。
DJ KAZURU
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