このアネモネのカップ素敵。
こういう柄大好きです、珈琲がひときわ美味。
・・・
「東京都同情塔」
九段理江 著、拝読。
第170回芥川賞受賞作品です。
報道されたとき、5%を
生成AIで書いたという話が出て
かなり引きましたたが、読んでみると
そもそもが生成AIが生活に溶け込んでいる
人々の話であって、例えば
生成AIが語る言葉を
生成AIに作文させたとしても
なんら問題ないですよね。
小説として、きちんと
この時代に何を書くべきか考えられているし
AIまかせの作家などではないです。まったく
マスコミ報道の恐ろしさを
知りました。
刑務所を進化させた
そこにいるかぎり拘束のない
「東京都同情塔」。
それを建てた女性建築家と
若く美しい男と
彼を14歳で妊娠した母親の話が
中心ではありますが、我々が
見るはずで結局観ることのなかった
ザハ案の競技場が建設された世界線で
話は進んでいます。
この建築家が女性であることに
敏感に生きざるを得ない存在で
その割にはツルッとした人物造形なのが
今どきな感じなのかしら?
彼女のお気に入りの若い男も
感情をむき出しにせず
淡々とした若者として描かれています。
もう怒りだけが原動力になったり
熱い涙を流す人たちって
文芸の主役になれない時代なの、とか
考えてしまいました。
選評で、平野啓一郎が
明らかに三島由紀夫の金閣寺の
影響があると書いていてようやく
ハッとしたのですが、たしかに
最終的に東京都同情塔と心中するような
建築家の思想は金閣寺を思わせます。
ついつい受賞作品を文藝春秋で
読んでしまうのは、選評からも
情報を得られるからなんですよね。
この数年、毎回楽しみなのは
山田詠美氏が言葉をいい加減に
あしらってしまった作者に対して
忌憚なく嫌悪感を示すところです。
毎回毎回、芥川賞という
文学の権威の最終候補に
挙げられてる割には、なめた
作家もどきが多いものだと思いますが
受賞した作家でも数年後にいなくなってる人
いっぱいいますもんね。
作家なんてそんなに
いっぱい出てくるもんじゃないのかもね。
DJ KAZURU
Add A Comment