「これから聴くティンバ」という記事を
某機関誌に連載していました。
キューバ音楽はブエナビスタのようなソンが
主流という見方は、日本の音楽業界や
各種音楽ファンですら共通認識になっていますが、
これを打ち破ろうとした企画です。
文章以外に、参考として音や映像を加えていました。
今回これを加筆修正して、
観葉音楽にUPしていこうと思いました。
感想あればぜひ。
第1回は、NG La Banda
「Necesito Una Amiga(1992)」。
30年以上前に誕生したティンバ誕生の原点となる1曲。
キューバ音楽の構造をもとに
ニューヨークのプエルトリカンによって
生み出されたサルサ。
そのサルサをキューバに逆輸入し演奏しようとした
NG La Banda(エネヘー・ラ・バンダ)の
大ヒット曲です。
そのソフトな声や歌唱は、
マッチョな男性ボーカル全盛のキューバ音楽界を
この1曲でひっくり返すほどの影響力がありました。
リードボーカルのイサック・デルガードは後に独立し、
キューバを代表する歌手になっていきます。
キューバ人は新しもの好きですが、
日本人のようにそっくりに演奏することを
目指すのではなく、そこからまた自分たちのものに
取り込んでいくしたたかさがあります。
当時のキューバ最強ブラスセクションを率いたバンドが
サルサを演奏すると、本家サルサとも違う、
ましてソンでもない、その後にティンバと命名される
「演奏重視」の楽曲になっています。
新しい音楽が生まれる勢いと初々しさがあります。
そのあたりが聴きどころです。
(福田カズノブ)
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