「買春王国の女たち」
森崎和江 著、拝読。
1993年に森崎和江が書いた本の
2024年新装版。
娼婦と産婦による近代史、の副題が。
あとがきで上野千鶴子がズバッと
書いてくれていますが
この国の女性に対する性の搾取は
根本的に百年前と変わっていない
ところがあるので、レジェンド
森崎和江先生の本のじゃんじゃん
復刊してほしいですね。
森崎和江フィールドワークを
深めた九州を中心とした
売春事情を、法的面など学問的に
まとめ上げたレポートですが
はっきり言って吐き気のする内容です。
内容というか事実。
12歳くらいから貧乏な女子は
遊郭に売られ、いくらでも
凌辱され、結婚した女も
夫の浮気を責める事はできず、逆に
自分が間男したら罪に問われる。
男は精子撒き散らし放題が
社会的に許されており、遊郭はもちろん
家の女中に手を付けて妊ませた場合でも
知らんぷりがまかり通る。
妊娠そのものは女性の責任なので
堕胎するも産んで苦労するのも
ご勝手に、というのがこの国の
態度だったわけです。
今は流石に明確な一夫一婦制ですが
女性が妊娠すると男が
姿をくらまし関与をシャットダウン
というのは常態化してるのが新聞記事などからも
透けて見えますもんね。
問題は
女性の方が男性よりも
生まれながらに劣っているという
方針できたことなんですよね。
男に女は逆らえない、という
形式が家族の形に入り込んでたんです。
令和の世になっても
男の身勝手な性欲のせいで
不幸になってる女性が多いのだから
進歩した、と
胸を張って言える状況では
ないのです。
私はこういう話題のとき
いっつも思い出すのは
福沢諭吉が
ヒトハヒトノウエニヒトヲツクラズ
ヒトハヒトノシタニヒトヲツクラズ
という
一見素晴しい人は皆平等みたいな
名言吐いたことになってること。
一方でそういいながら、彼は
「芸妓は人外」
「成り上がり出世しても人間以外の醜物」
つまり芸者、妾の類は
「人間でなく。畜生」
だと別のところで言っているのですね。
売春婦は牛馬と同じなので
人間の中には入らない、と
言ってるんですよ。
こういう男のものの考え方が
令和の夜にも脈々と受け継がれている
気がしてならないです。
男が優っているなんてことはないんだけど
あまりに歴史的刷り込みが強すぎて
なんとそのように思い込んでる
女性も多いのです、これは本当に問題だな。
今日見たネット記事に
夫が避妊を嫌がるので
堕胎を10回行ったという妻の話が
出てました。
ナニソレ。
森崎和江の切り開いた道は
まだまだ細いようです。
DJ KAZURU
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