成瀬巳喜男監督
「女が階段を上るとき」
国立映画アーカイブにて拝見。
映画の良さが
みっちり詰まった作品でした。
高峰秀子の魅力もみっちり。
砂糖の蓋を手でひょいと
押し上げる仕草。
ショットグラスを
抱え込むようにつかむ仕草。
動作の端々から
夫に死なれ、スカウトされ
流されるように
バアの雇われマダムとして
五年を過ごしたケイコという
人間が分かる。
すごいねえ。
彼女に執着しながら
相棒としての立ち位置を
守る仲代達矢。
鈍なふりして結婚詐欺師だった
加東大介。
街の情報ツウ菅井きん。
派手な若いホステス団令子。
ずるい銀行員の森雅之。
いかにも狡猾な中村鴈治郎。
また衣装は高峰秀子と
クレジットにあったので
自分で選んだ着物と思われますが
さすが!という
印象的なものばかり。
すべてシックながら
趣味の良さが感じられました。
バアのマダムながら
身持ちがかたい役なので
襟も大きく抜かず、かと言って
素人ぽくはない、考え抜いて
役作りをした上での
着こなしという感じ。
カラーで観たかったなあ。
最近拝見した「華岡青洲の妻」ポスター。
これもいい映画。
在ハワイの日本人視点で
戦争を描く「山河あり」は
苦難の末手に入れた
穏やかな生活が開戦で一転
ハワイにいても日本に来ても
疎まれる立場の描き方が深い。
どん底にあって
歌いながらフラを踊る
高峰秀子が神々しかった。
DJ KAZURU
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