日本にティンバが本格的に紹介されたのは、
作家村上龍がキューバ音楽にはまり、
バンドを日本に招聘しだした1990年代前半。
NGラ・バンダの2回目の来日時に
前座として来たパウリートは、
ハウステンボスと渋谷でライブを行いました。
私が初めてティンバを生で観たのは
このパウリートの渋谷ライブ。
CDで楽曲は聴いていたのですが、
その生演奏は圧倒的で、
棒立ちでふらふらになるまで
聴き入っていたことを思い出します。
それまでソウルやロックなど
様々な欧米音楽のライブを観てきた中、
キューバ人のライブはリズムの構成が
まったくわからない上に、
どのようにステップを踏んで踊っているのかも
分からないものでした。
なのに、その音楽に、ダンスにくぎ付けになる。
それ以来、その魅力に取りつかれて
30年たってしまったのです。
今は魅力の秘密がしっかり分析できてわかって
いますが、当時はまったく未知のものでした。
映像はハウステンボスの公演。
曲はロマンティックなナンバー
「No Hace Falta Que Lo Diga」。
パウリートはその後、
キューバを代表するティンバ・アーティストに
成長していきますが、
アイドル的な人気もあって
キューバの女性を魅了していきます。
もう一方の映像はハウステンボスから
数年後のキューバ国内でのライブ映像。
よりアグレッシヴな演奏になっています。
2つを対比するとティンバが
進化していることがよくわかります。
この音楽とダンスに触れた私は、
キューバには世界に知られていない、
生きる喜びに溢れたエネルギッシュな
音楽があることに気付き、
それ以来日本で紹介し続けているのです。
(福田カズノブ)
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