Manolin El Medico de la Salsa「Jaque Mate」
キューバ国民1人あたりの医者の数は
日本より多いことはあまり知られていません。
薬や高額な機器はなくても、地域医療は
日本の医師が視察に訪れて感心するほどのレベル。
キ ューバという国の素晴らしさの一つが医療なのです。
そんな医者の経験者が結成したバンドが、
今回紹介するManolin El Medico de la Salsaです。
1990年代後半、数あるティンバ・ バンドを押しのけて
一時期、圧倒的な人気を得ていました。
その魅力は日本人の私にはわかりませんでしたが、
歌詞だと言われていました。キューバの音楽は、
ヌエバ・トローバを別にして、そのほとんどが恋愛もの。
中には眉をしかめるものもあるのですが、
このマノリンは珍しく歌詞が良いとキューバ人には評判でした。
そしてもう一つの魅力は圧倒的なライブ・パフォーマンス。
ティンバ・バンドは一直線に盛り上げ、
これでもかとヒートアップしていく演奏が多いのですが、
このマノリンは盛り上げては、落ち着かせ、
またじわじわ盛り上げていく手法で、
乗せるのが難しいキューバ人たちを虜にしていました。
私が1997年にバラデロで行われた何万人もの聴衆を集めた
ライブで観たマノリンはまさにそんなパフォーマンスでした。
グルーヴが波のようになって押し寄せては引いて、
また押し寄せる。
そんな繰り返しで大観衆がトランス状態になっていくのを、
医者であるマノリンが鎮める。不思議なライブでした。
今回紹介するのはTVでのライブ演奏です。
聴きどころは2分10秒あたり。凄まじいピアノ演奏と、
ボーカルの掛け声で、バンドが一段階ギアを
上げて盛り上がっていくところは、
ティンバという音楽の魅力が感じられるまさにその瞬間です。
(福田カズノブ)
Add A Comment