1969年松本俊夫監督による
ピーターの強烈なデビュー作
「薔薇の葬列」拝見。
湯浅譲二の音楽にスポット当てた
国立アーカイブでの上映です。
30年ぶりかしら
最初見たときこんな
映画があったのかと
びっくりでした。
まずピーターが
ゲイバーで踊るシーン。
他の日本人は
ことごとくへっぴり腰の
ユラユラ踊りですが
彼だけ格好いい。
こんな綺麗な存在がいるのか
そして踊りのうまさに感激。
今思うと
家出するまでずっと
吉村流を叩き込まれてた
おかげだったのかもですね。
改めて見ると
確かに映像の早回しに
コミカルな音楽を当てたり
実験的な試みが見られました。
時系列もバラバラに
進む物語。
有名監督や
映画評論家がふいに
インポーズされる。
公開当時はATGの中でも
異色だったのではないかなあ。
オイディプス王は
父を殺して母と交わった
息子が真実にたどり着き
もう何も見たくない、と
自らの目を潰す
ギリシア悲劇です。
1967年パゾリーニが
「アポロの地獄」という
映画にしています。
本作中にもこの映画の
ポスターが多用されますが
松本監督もこれを見て
自分なりのオイディプス王を
撮ろうと考えたのでしょう。
ピーター演じるエディは
ゲイボーイだから
母を殺し父と交わる。
まだティーンエイジャーの
私は
これがギリシア悲劇か、と
あらゆる物語の
根源になるギリシア悲劇の
すばらしさを知ったのです。
薔薇の着物で。
DJ KAZURU
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