松浦千恵美
「しだれ桜恋心中」拝読。
2014年のアガサ・クリスティー賞
受賞作品だそうです。
文楽の人形遣いの死体が
桜の下で発見されて
文楽人形と手を繋いでるように
倒れていたという冒頭に
おお、と思って読みましたが
あんまり作者は
伝統芸能に詳しい人ではないのでしょうね。
国立劇場や大阪文楽劇場の
雰囲気が描けてないし、古い人形が
心を持って動き出すという
ファンタジーものです。
同じような設定で
もっと芸に踏み込んだ内容なら
楽しめただろうなー。
巻末に受賞に関しての
選評が載ってるのですが
ここでもさほど評価されてないんですよ。
でもこれが受賞作品てことは
いまひとつ整合性に欠けていても
文章がパッとしない作品でも
読む人たちが居るってことですかね。
日本の文学賞に
いろんなものがあるのは
出版会の策のひとつなんでしょうが
松井今朝子とか、最近だったら
蝉谷めぐ実とか伝統芸能を
しっかり分かったうえで
小説を書いてる人がいるのだから
敢えてこういうものを出す必要が
あるんかな、という疑問は残ります。
DJ KAZURU
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