「寂兮寥兮」
大庭みな子 著、拝読。
かたちもなく
と、いうタイトルです。
隣家の男女たちの
幼い頃からと、それぞれに
配偶者を持ってからも続く
どこか不思議な、でも
淡々としている関係が描かれます。
初出1982年。
夫が温泉宿の送迎バスに乗ってて
事故に遭ったとき
隣の席に座っていたのは
隣家の男の妻だった、という
ところがハイライトといえばハイライト
なのですが…
この選集シリーズとてもいい
小説がいっぱい読めるのですが
「寂兮寥兮」のあと
田辺聖子の
「あんたが大将-日本女性解放小史」を読んだら
その軽妙さとガツンとした人物造形に
心を掴まれてしまいました。
なんということはない
夫婦の物語ですが、遠慮しいしい
夫の影で生きてるような女が
働きに出た途端性格も見た目も
変わってしまう話がテンポよくて
さすが田辺聖子なのでした。
私はこういうあっけらかんな
小説が、意外と好きなんです。
DJ KAZURU
Add A Comment