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2023イヴェント休業中、各コラム更新中《TIMCUBA動画有》

18644 2023年現在timcubaのイヴェント休業中です。 コラムは随時更新していますので 各メニューを選択してくださいませ。 https://youtu.be/BELIZJu0ruM 2014年の過去動画ですが 六本木で思いきりダンスと音楽を味..

2/10 復活TIM★CUBA

17568 2/10 麻布トロピで久しぶりに ティンクーバやります。 DJ KAZURU が昔作った キレッキレのリミックス中心。 翌日が祝日なので ゆっくりお楽しみいただければ幸いです ************** La Tropi Azab..

2/1 イサックを語る

17586 下北沢ボデギータで 福田カズノブがイサックデルガードを語る マニア向けのイベントです キューバ料理もご注文いただけます ..

「言霊の幸う国で」
李琴峰 著、拝読。

台湾出身で芥川賞を受賞した
李琴峰が何かというといじめられていることは
知っていたのです。

外国籍であることに加えて
レズビアンを公言している彼女が
日本で一番の文学賞を取ったことに
ある種の方々がざわついたわけです。

これは彼女が芥川賞を受賞した日からの
闘争日記。
小説ではあるけれど、ほぼ実際の出来事が
ベースになっていると思われます。

しかしトランスジェンダーについての
問題と実情をこれほど
しっかり説明してくれた人が
今までいたかしら、と思うくらい
私には刺さりました。

自分にはゲイ男性の友人もいるので
いわゆるLGBTQについては
受け止めているし偏見もないつもりですが
男性で生まれ、性自認が女性のために
性を変更し、レズビアンとして
女性と恋人関係にある人の問題は
しっかり考えてみたことがなかったのです。

女性として日本で生きて
永住権をとり
自由と学びを獲得して芥川賞まで
得た人の過去をわざわざ掘り返し
アウティングする人々の
憎悪の深さについても、また
認識が薄かったように思います。

台湾に帰れ
本当は男じゃん
日本の政治に口を出すな
女子トイレを使うな

これらはもしや
桜庭一樹の言う
「従え、もしくは出ていけ」の
共同体問題と同じなのではないかしら。

(奇しくもこの小説内には
コロナ禍におきた
桜庭✕鴻巣問題についても
言及されてて、李琴峰の意見は
私とほぼ同じでした。私の意見は↓)

トランスジェンダー問題は
2丁目のクラブイヴェントにも
SNS上にもありとあらゆるところにあって
彼女たちを締め付けようとしてるんですね
もう、この本には様々な
例が書かれていて、いちいち
自分の無知を恥じました。

レズビアンによるトランス排除問題、
女子大のトランス女性受け入れ問題、
知念実希人との論争、
文芸批評家の的はずれな論調、
宇多田ヒカルのノンバイナリー表明で
感じた違和感…

自分の生きてることを
生き方を、否定されるたびに
李琴峰は、しっかり考え抜いて
文章にして表明し戦っています。

これはとても重要なことだと
思うのですよ。

サンドバッグにされ続けてはいけない。

不条理なことに立ち向かう。

書き続ける。

従わないし、出ていかない。

さて、ここで李琴峰が
15歳まで台湾におり
元軍人と看護師の両親のもと
しつけという名で殴られたりしながら
育ったという経歴を思いますと
こんなにも日本語を巧みに操られるのは
驚愕という感じがします。

弟が弁護士なのでさほど劣悪な
環境ではなかったかもしれませんが
日本語の難しいところをモノにしているというか
あり得ないくらいの日本語習得度合いです。

インタビュー記事で
最初の一ヶ月でひらがな50音を習得した
それでもう日本語の歌が歌えるので
日本語は習得しやすい言語、と
言っています。

しかし
その後に漢字やカタカナが
あるわけで容易に習得できる
言語とは思えないのだけど…

多分ものすごくクレバー。

彼女をたたいてる人たちには

「本来蔑むべき対象である
外国籍、レズビアン
トランス女性」

である人間が、こんなにも
立派な文章をかけるなんておかしい
存在するはずがない。抹殺してやる。

そのような気持ちも
あって叩いているのではないでしょうか。

こんなに賢い人が叩かれているというのは
どうも嫉妬なのかな、そんな
感じを持ちました。

私はこのように
困難に文章で立ち向かっていく彼女に
敬服です。

・・・

世界の悪意は巨大で複雑だが
敵を俯瞰し、その姿形をしっかり
見定めれば、闘い方も分かってくる。

見定めるために必要な知性と知識は
Lには備わっている。
Lはずっと知性に頼って生きてきた。
知性は荒れ狂う生の海に浮かぶ
一枚の木の板だ。

・・・

DJ KAZURU


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