初めてティンバを聴く人から、何から聴けばいいのかと
相談されたら、まず初めにお勧めする曲が
Bamboleoの「Yo No Me Parezco a Nadie」です。
革命以降のキューバ音楽は、
海外演奏で国外に出ることができない、
外国人観光客もそれほど来ないという状況が続いたため、
キューバ人によるキューバ人のための音楽でした。
それが1990年中盤から観光や音楽の政策変化もあって、
外国人向けという側面も出てきたのですが、
このBamboleoはその最先端にいました。
曲を聴いてもらうとわかりますが、
まずキャッチーなイントロ。
ホーン・セクションのアレンジはリーダーの
ラサロ・バルデスです。
作曲は、後にアスーカル・ネグラを立ち上げるリモンタ。
素晴らしいメロディは彼の最高傑作でしょう。
そしてリードボーカルは、ハイラ・モンピエ。
それまでキューバでは、女性だけのグループはありましたが、
男女混成のグループで、
それも女性ボーカルがリードを取るバンドは、
このバンボレオが登場するまでなかったのです。
さらに、ハイラともう一人のバンニアの2人は、
スキンヘッドというスタイル。
まるでパリコレに登場するモデルのようなビジュアルでした。
まさに当時、世界に出しても遜色ないレベル。
特にハイラのボーカルが素晴らしく、
後にサルサの女王セリア・クルースの再来と評価されていました。
そんなBamboleoの1曲は、
ティンバがキューバの新しい音楽になったのだ
という象徴ともいえるインパクトがありました。
当時、日本のティンバ・ファンで
この曲を知らない人はいないくらいでした。
ところが、メンバーチェンジの多いキューバのバンド。
このアルバムで、ハイラはリモンタとともに
アスーカル・ネグラにスピン・アウトしていて、
待望の初来日時にはこのメンバーは揃っていませんでした。
来日当時のドラマーは、現在日本で活躍中のルーディ。
Timba.comというサイトでは
キューバNO1ドラマーにも選出されていた実力者です。
(福田カズノブ)
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