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2023イヴェント休業中、各コラム更新中《TIMCUBA動画有》

18644 2023年現在timcubaのイヴェント休業中です。 コラムは随時更新していますので 各メニューを選択してくださいませ。 https://youtu.be/BELIZJu0ruM 2014年の過去動画ですが 六本木で思いきりダンスと音楽を味..

2/10 復活TIM★CUBA

17568 2/10 麻布トロピで久しぶりに ティンクーバやります。 DJ KAZURU が昔作った キレッキレのリミックス中心。 翌日が祝日なので ゆっくりお楽しみいただければ幸いです ************** La Tropi Azab..

2/1 イサックを語る

17586 下北沢ボデギータで 福田カズノブがイサックデルガードを語る マニア向けのイベントです キューバ料理もご注文いただけます ..

「九十六年なんて、あっという間でございます」
岩崎藤子 著。

【高松宮宣仁親王妃喜久子殿下との思い出】
なるサブタイトルの通り
後に昭和天皇の弟にあたられる
高松宮宣仁親王に嫁いだ
徳川家、慶喜の孫である喜久子さまとの
友情を綴った本です。

喜久子さまの母は
有栖川宮家からご降嫁なされた方
(有栖川宮断絶後、有栖川の祭祀は
高松宮が引き継いだ)いずれ
その娘が宮家に嫁ぐことは
決まっていたような感じですね。

岩下尚史氏の聞き書きなので
大変読みやすい。

では岩崎藤子は何者かと言うと
大久保利通の孫で、父は外交官。
喜久子さまと同じ
明治44年生ということです。

華族の集まる
女子学習院の同級生で
ほかには北白川宮美年子女王殿下
朝香宮紀久子女王殿下(ふたりの母は
明治天皇の内親王)がいたということなので
今の学習院とは比べ物にならない
別世界の教室であったと思われます。

幼年期の微笑ましい時代から
このクラス会はやがて「なでしこ会」と
なり、みな嫁いだあとも親交は続き
妃殿下が母君をがんで失うことから
がん研究基金を集めて
形にしていこうという流れで、その
代表を担ったのが藤子だったということです。

記録によると
昭和28年クリスチャン・ディオールの
ファッションショー
翌年、バックハウスのピアノリサイタル
昭和30年代には
文学座ハムレット観劇会
ウィーンフィルコンサート
という感じで
昭和50年代まで会を催し
がん研究施設に寄付を集めたとか
なんと華やかな。

その後昭和43年に正式な財団となり
高松宮妃がん研究基金、の形になりますが
その資金集めにも藤子が飛び回ったとのこと。

一介の主婦が
企業を回って基金を集めると言うと
途方も無いような気がしますけど
元華族、しかも宮家の肝入ですから
意外に集まってしまったわけですね。

この本は、同級生といっても
高松宮妃となった喜久子さまと
あくまで臣下の藤子が立場をわきまえながら
厚い友情で結ばれたことを
書いていますが、こういう関係は
まれではないでしょうか。

華族学校とはいえ同じ教室で
学ぶというのは
明治以前には無かったことでしょうし
昭和以降なら、同じ教室に
宮家の方々が何人もいることは
ありえません。

また、少し前なら
宮中独特の言葉を使っていたであろう
喜久子妃殿下の母君も、そういうことは
なかったそうです。

藤子も一般庶民ではありませんが
皇室と臣下の交わりが自然にできていた
良い時代だったと言えそうです。

皇族も減った令和の世にも
こういった温かい友情の書を
読めるというのはありがたいことです
よくぞ、書き残してくれました。

さて、興味深かったのは
中村歌右衛門が梅玉を伴って
妃殿下の御殿を訪問したときの
写真です。

うしろに後藤貞子様、とあるのは
歌右衛門の親戚筋で
かの三島由紀夫の恋人であった方ですね。

この後藤貞子から三島との
逢瀬の日々を聞き及び
まとめたのが岩下尚史「ヒタメン」でした。

案外本書の出版は
後藤貞子の提案から始まった企画かも
知れませんね。

DJ KAZURU


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