歌舞伎座十月夜の部初日。

センターブロック５列目で
拝見。

まずは泉鏡花の名作劇
婦系図。

出の瞬間、衝撃的に仁左衛門が若い。
若い学者がぴったり。

そして
スリの手伝いして去る時、花道から
財布をピッと返す時の仕草。

間の良さがすごい。
ああいうの上手いよね。

からの
師匠に匕首突きつけられるように
芸者との関係を詰問され
ひたすら恐縮し
身が縮まるにざ様。

冷や汗ものの様子で平伏しきったところから
女を捨てると決意する
激しい盃。

一方、玉三郎は
薄い水色の半襟
濃い水色の八掛
あっさりした紫の縞の着物
藤色の源氏香の帯で
柳橋からしろとさんになった
感じがパーフェクト。

湯島の境内で急に老け込んだ
にざ様。

そうそう、この
湯島の境内の清元が
びっくりするほどよかった。

美声でのびやかで
驚くほどです。
こういうものが聴ける歌舞伎座
最高ですね

清元がすごくいいのに
そのまえの場の小唄
こっちは録音なのなぜかしら。

源氏物語のほうは
芸者をひいた女から一転
高貴な元東宮妃の玉三郎さま。

センスも身分も申し分ないのに
若い男につい愚痴ってしまう、そして
またその話かよ!と
嫌われてしまう…こういうことって
現代でもよくある男女のやりとりよね。

現実に御曹司でも芸ではまだまだの
染五郎と
熟しきっている玉三郎さまの関係が
ちょうど当てはまるいい役だと
感じました。

松三の惟光があまりに綺麗なので
出てきた時に拍手わいてました。
染五郎源氏と間違えた人がいたのね
きっと。

萬寿さんの葵の母は、これまた良くて
彌十郎、時蔵、萬寿の
ファミリー感ばっちり。

生霊になってからの
玉三郎さまは、もう独擅場。
いい表情見せて、最後スッポンに
消えました。

源氏が葵を助けて
「妄執の雲は晴れた」
と、鷺娘のセリフ言って幕。

もっとネチネチ嬲るのかと
思ってたので意外にあっさり
生霊は去りました。

とにかく大満足の夜の部だったのは
私が新派好きで、源氏物語好き
だからかな?

時間も短めなのがかえって
凝縮感に繋がり、本当にいい舞台でした。

幕間は梵のビーフヒレカツサンド。

三階バーで泡を。

名題になった方。

お友達と偶然会ってアフターも。

DJ KAZURU