「危険なトランスガールのおしゃべりメモワール」
カイ・チェン・トム 著、拝読。
著者は
トロントとモントリオールを
拠点に、ということですが
世界中の何処でもない国で
闘っているトランス女性のつぶやき
とでもいうような小説。
本人も東アジア出身の
トランス女性だということです。
タイトルからは
きらびやかで軽薄な彼女たちの
話のようにも感じられるけれど
結局、トランスの人たちって
常に弾圧されているようなもんなんです。
生きたいように生きる、が
まともに取り合ってもらえない。
この小説を読めば
一見やりたいようにやってる彼女たちが
シス男性たちから下に見られ
時には殺しても構わない対象であるのだと
分かります。
殺されることも、自ら死を選ぶように
追い詰められることもケタ違いに多い
彼女たち。
闘争することを選んでも
それは果たして安住の地への
道なのかは疑問。
こういう小説が2024年現在
多く読めるようになってきて
ようやくトランスたちの存在を
認識した人も多いでしょう、私も
そうだから。
人間は自由に生きる権利がある、と
いう言葉に誰も異は唱えないはずなのに
そこにトランスガールたちは
なぜか含まれていない、そんなことが
当分続きそうな世の中だけど…
せめてそれはおかしい、と
気づきたいね。
DJ KAZURU
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