この10月いっぱいまで
半年間朝日新聞で連載していた
湊かなえの「C線上のアリア」が
終わってしまいました。
人気作家ではあるけれど
さほど気に留めてなかった著者ですが
新聞小説らしい盛り上げ方もうまく
ついついひきこまれた連載でした。
中年になった女が
10歳代を過ごした街に戻り
認知症になった叔母を世話する。
同じように家庭がうまくいっておらず
姑の介護に悩む中年女と出会うが
彼女は初恋の人の妻で…
という話ですが、中核は
叔母が「若いお嫁さん」だった時代の
話に遡り、今よりも重症に思える
嫁姑問題や、他家を覗き見たことで起きた
不幸な事件があぶり出されます。
一番怖いのは人間、て
よく言いますけれど、湊かなえも
ずっとそれを書いている作家なのかも
知れませんね。
異常者や破綻者がある日突然現れて
穏やかな世界を壊すのではなくて
穏やかな世界を構成しているはずの
人たちが、意図するしないに関わらず
内側から腐らせてしまうこともある。
DJ KAZURU
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